分水嶺
大学の偏差値による分類をするのはあまり褒められたことではないかもしれませんが、事実としてその違いはどこにあるのかと言えば、抽象的な思考力を試す点にあります。具体の世界と抽象の世界。この2つの世界は、全く綺麗に別れているわけではありませんが、理解のイメージとしては別世界と思って良いと思います。具体の世界は、パズルのピースを一つずる入れていって、パズルを完成させるイメージ。ピースの多い少ないはありますが、パズルです。「僕は、お母さんと買い物に行った」という文であれば「いつ、どこに、どのように」と詳述が加わって、パズルは完成します。英語で言えば、後置修飾が読み取れる中学3年生レベルでそれはいったんの完成を見ます。その延長で受けられる大学入試もあります。
一方の抽象の世界とは、焦点のぼやけた映像のピンを少しずつ合わせていくことに似ています。言い換えてくれている箇所を援用したり、対立関係の助けを借りたりしながら、筆者の主張はこうではないかと、ぼんやりとした思考のピントを合わせていく粘り強い思考の積み重ねです。ここでは、パズル的に考えても、ピースの一つひとつが、例えば第Ⅴ文型であったり、抽象名詞構文であったり、簡単な単語だけど文脈での理解が必要だったり、対立関係の反対側をひっくり返して意味を類推したりと、ピースの一つひとつもまた抽象であることが、難しく感じさせる要因だったりします。
これは、大学での研究が、まさにその世界であるから、大学はそのような研究に耐え得るかをテストしたいのだと理解して良いと思います。当然、そのような研究には、そのような既往研究の論文を読む必要もあり、同じように抽象的な命題について、正しく読み取る必要が出てきます。未知数を抱えながら、仮説を立て、試行錯誤しながら検証をしていく営みであり、唯一の解ではなく、妥当そうな解が得られるに過ぎません。そして、手に余った部分は、後世の研究に委ねることにもなります。
OSアカデミアでは、抽象の世界を、国語と英語の観点から鍛えています。それは、まるで分水嶺を跨ぐように、「あちら」から「こちら」へと別の世界に踏み出していく面白さがあります。パズルを楽しむ世界から、ピントを合わせて映像を楽しむ世界へ。ぜひ、一緒に学んで見ましょう。できない人はいません。順を追って筋道を立ててやっていけば、必ずそのような頭の使い方をしたくなるのが人間だと思います。具体の世界に退屈している生徒も、ぜひOSアカデミアに来てください。お待ちしています!
CONTACT
OSアカデミアへのご相談・お申込はこちらMORE